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2023年4月

2023年4月21日 (金)

首藤剛志のピンクショック~17歳はおばん(笑)

1986年に発売されたOVA「COSMOSピンクショック」。首藤剛志先生がビデオマガジン「アニメビジョン」に連載していた話を元にしたオリジナルアニメである。「アニメビジョン」が潰れたので未完。

「私、止まらない……」と超高速宇宙船ピンクショック号で爆走する17歳のミッチー。あちこち迷惑をかけ領海侵犯したために捕まり処刑にされそうになるが……。彼女の目的とは?

首藤先生のコラムによると小説が忙しくなっていた頃にある人から「最近、アニメやらないの」と言われて作ったらしい。名前は出てないが、おそらく「戦国魔神ゴーショーグン」のプロデューサー相原義彰氏(カナメプロ)の事だろう。この「ピンクショック」でもプロデューサーしているのだ。これもまた内容は自由に作ってよかったらしく、既に「ミンキーモモ」での大成功で業界からは大きな信用を勝ち取っていた事が窺い知れる。

当時は平野俊弘がキャラクターデザインしていたし、「ピンクショック」なんてタイトルだからエロアニメだと思って見なかった。後で首藤先生が原作のアニメと知りレンタルで見た程度、もちろんエロアニメではなかった。かなり評判はよかったようだが、なにしろVHD(笑)だったので残念な結果となった。

ていうか首藤作品て「永遠のフィレーナ」以外は完結してないんじゃないか。

いつもの騒がしい首藤ガールが主役で、大好きな阪神が出たり、ブンドルみたいな色男が出てきたり……ドタバタコメディという雰囲気で気楽に見られる。佐久間レイさん演じるミッチーはなかなか魅力的だったかも。どこかにミンキーモモの残滓でもないかと期待したが、特になし。

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2023年4月18日 (火)

「萌え」は一般化した……

確かに「萌え」という言葉が出てきた頃は余り健全な意味はなかった。しかし今は二次創作のエロ本見本市であるコミケがNHKのニュースになるような時代だ。町おこしにエッチな女の子のイラストを使うのも普通。たかが「萌え」程度で騒ぐ方が変なのだ。

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そもそも「萌え」を正確に定義するのが難しい。個人的には「ふんわりツクシ(隠語=淫語)が勃つ」イメージ。どんどん薄められて「好き」という意味ぐらいになった。これは「オタク」という言葉が時代とともに変化して「マニア」という意味程度になったのに似ている。

「萌え」は普通のゲームやアニメ、漫画に入り込み一般化した。可愛い女の子がいて当たり前。萌え萌えなゲーム「アイドルマスター」を田中将大が、「ウマ娘」を松坂大輔が堂々とハマっていると公言する時代。幼女が「可愛い」と「ラブライブ」のゲームを遊ぶ。少なくても商品としての「萌え」は成功した。

何故「萌え」は批判されるのか。若い女を商品にしているからか。それならば、まず最初に実害のあるアイドル商売・売春(パパ活)の方を批判するべきだろう。ただスマホゲームに高額の課金したりユーチューバー・Vtuberに高額のスパチャ(投げ銭)するのは問題かなとは思う。でもまぁ、その程度。

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いずれにしてもミンキーモモもまた「萌え」の対象だ。その可愛さに萌えてしまった人達は「代用された(笑)実在の女性達から性的搾取した」事になるんだそうだ。誰の代用なのか(笑)ミンキーモモに匹敵するような可愛い子がいるなら連れてきてほしい。

そんなら、もう可愛い女の子のイラスト一つ描くだけで性的搾取だろ。

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2023年4月15日 (土)

首藤剛志著「都立高校独立国」

ゴーショーグンとミンキーモモがヒットし、アニメージュからも才能を高く評価されていた首藤剛志氏。そのアニメージュ文庫から発売されたオリジナル小説は「永遠のフィレーナ」の他に、この「都立高校独立国」(上下巻)がある。

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渋谷にある都立松濤高校は運よく甲子園出場権を獲得……に見えたものの敗退した高校の謀略により辞退させられてしまった。それに我慢できない生徒会の関裕子は幼馴染の山本浩を従えて高野連や校長に抗議するのだが、うまくいかず。大人の世界に疑問を感じた高校生達は自分達の高校を独立国にしてしまおうと計画を立てる。

面白いか面白くないかは別としても矢張り発想が非常に独特だなと感じた。昨今の真似ばかりするクリエイター様とは心意気が違う。だいぶ小説の書き方もマシになってきて、スムーズな文章になっている。高校生達の雰囲気がちょっと「ブギーポップは笑わない」に似ていて男女交際やらタバコ・飲酒などと乱れている。首藤さんが常々描きたがっていたリアルな??少年少女で「アンチ萌え」の姿だろう。言葉遣いもやたら若者言葉が多いので今読むと古くささを禁じ得ない。

主人公はオタクではないが、いつも裕子に引きずられる弱弱しい浩君。首藤さんは女性崇拝者なので今回もまた凛々しい女の子達が大活躍だ。イラスト担当の古山匠氏の絵が余り可愛くないのでアレだが、みんな美少女設定。

正直いってリアリティの欠片もない荒唐無稽なストーリー展開だが、フィクションはこのぐらいでちょうどいい。読者対象の中高生にはぴったりの内容ではないかと思う。自分は当時こういうラノベを毛嫌いしていたので全く読む気がしなかった。既にアニメージュ文庫も消えたが、今のライトノベル全盛期を作った礎になっているのだろう。

ところで三田けい子という不良っぽいキャラが出てくるのだが、もしかして首藤さんが手掛けた「さすがの猿飛」に出てくる不良娘・石川美加を演じた声優・三田ゆう子から名付けられているのではないか。ないないない、偶然……よねぇ。

首藤さんは続編を書きたい気持ちもあったようだが、超多忙だったからこれ以上の創作は厳しかったのだろう。

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2023年4月 9日 (日)

ミンキーモモはロリコンを受けて立つ

書類を整理していたら首藤先生のコラムの中で「ミンキーモモはロリコンを受けて立つ」回をプリントアウトした紙が出てきた。

ロリコン≒萌えは異常だが、関わらなければいい。昔と違って今は積極的に女と付き合わない男が増えた。ロリコンはアニメ産業にとってお客様。しかし代用された生身の女性達は不快に思うだろう。糾弾されれば表現は規制されるかも。ミンキーモモは時代にあったモノを描きたい。三代目モモの内容は「ロリコン」「オタク」「萌え」について無視できないだろう。気持ち悪いモノではなく、社会現象として考える。

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驚くべきことに2006年なのに早くも「性的搾取」という建前で横行している表現規制圧力を予測している。首藤先生の危惧どおりの未来だ。また、いち早く「草食男子」についても言及。

確かにアニメに限らず性的な表現規制が厳しくなった。しかし、それで得した女性より職を失った女性の方が多いだろう(例・レースクイーン等)。草食男子に関しては男性ばかりに問題があるとは言えない。日本社会の貧困化も要因の一つだ。また「萌え」≒推し活というのは基本的に二次元キャラを含めたアイドル対象だろう。それはハロプロ~AKBグループ、ジャニーズの流れで強化されている。

改めてコラムを読んでみると批判というよりは、時代を反映するミンキーモモのテーマとして適切だと考えているように見えた。そこには決してロリコン≒萌えが蔓延するアニメ業界に迎合しないぞという意気込みが感じられる。ミンキーモモは決してロリコン向けではない。昔から美少女が出ていれば映画だろうがドラマだろうが、萌える人は萌えるのだ。

このコラムから17年後の現在、全部的中している(笑)ツイフェミ(ツイッターによるフェミニズム運動)は常に二次元美少女限定で批判を繰り返している。二次元美少女達に地方活性化を頼らなければいけないほど日本経済は疲弊しているのだが。個人的な考えだが、ロリコン自体は存在してないと思っている。そんなに問題だと思っているなら海外では認められている低年齢少女との結婚を批判した方がいい。

所詮、二次元キャラは非実在性青少年で被害者は存在していない。

空モモの時にスポンサーである玩具会社を暗に批判した首藤先生が、今度は萌えアニメを乱造するビデオメーカーを批判したいと考えたのだろう。ただ、ミンキーモモに萌えていた男がレミー島田に萌えるようになったからといって大した変わりはない。二次元キャラを取り上げれば草食男子が普通に生身の女性と恋愛しはじめるはず、とは書いてないが、他人の恋愛観など批判しても仕方ないのではないか。少子化は「女性の自立化も手伝って」と指摘しているんだから、男性だけでなく女性側の問題も描かなければ不公平だという気がした。

どのみち少子化問題は社会で大きな問題にもなっているぐらい深刻で、政治家や研究者が何とかしようと躍起になっている。それでも何の解決策もなく悪化する一方だ。別に萌えフィギュアだけが原因でもあるまいよ。ロリコン・BLアニメ好きでも結婚して家庭を作っている人達たくさんいるじゃない。国がマッチングアプリ作って強制的に登録させれば改善するんじゃね。マイナンバーカードの情報でも利用したら?(笑)

図らずもロリコン≒萌えに興味のないのに元祖アニメの作者になってしまったから、自分なりの考えを提示したかったのだろう。ただ、そのミンキーモモ三代目はエンタメとして面白いアニメになったのか?本来なら留意すべきなのは、そこだった気がする。そういう商売度外視で受けも狙わず自分のテーマを探求するのが首藤先生の偉大なところだったと痛感せざるを得ない。

イラストに「ミンキーモモはロリコン達を受けて立つ」って文言を入れたら、すごくエッチな意味になった気がして萌えました。

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2023年4月 2日 (日)

戦国魔神ゴーショーグンの小説を買う

完結してないから読むつもりなかったんだけど断れない状況で3冊ほど買ってしまった戦国魔神ゴーショーグンの小説。

何が酷いって、なにわあいの表紙。このふざけた表紙の本って実はテレビ版のノベライズだったのだ。なにわあいに責任はないと思うけど、内容と乖離しすぎだよ。アニパロ漫画家が表紙を描いてるんだから、長年ただのゴーショーグンよもやま話なんだろうと思ってた。こういう時は担当したアニメーターが描くものだろう。その後、天野喜孝が担当。アニメージュは自分達のお抱えを使い過ぎだな。無関係なイラストレーター起用はミンキーモモみたいに「絵・キャラ」が重要な作品では決してやらない。

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首藤剛志氏、アニメージュから高く評価されている事もあってアニメージュ文庫では多くの著作がある。首藤先生の事をアニメ監督と勘違いし続けている人達もいるが、確かにセリフのみならず情景や演出みたいな部分も相当なこだわりがあるのが感じられる文章だ。

一冊目にテレビ版のノベライズを出したのは、はじめからオリジナル展開していく予定だったのだろう。しかし流石の編集部も完結しないまま終わるとは思わなかっただろう。遅筆、もう晩年は生きる気力もなくしていたように見える。「生きているうちに……」とはよく書いていたが、先生にとってゴーショーグン小説の完結は必須じゃなかったのは残念だ。

レミー島田に対する愛着が原動力だったんだろうが、それも薄れていったのかもしれない。その気になればミンキーモモだって小説展開はできたはずなのにね。

窓の外でカラスの鳴き声がうるさい。カットナルかよ!!!

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