ミヒャエル・エンデの「モモ」と「ミンキーモモ」は関係ない
Twitterで「ミンキーモモがミヒャエル・エンデのモモにインスパイアされて作れたのは定説」という信じられない事を語る人がいて仰天。急いでブログでも否定しておかなければいけないとパソコンを立ち上げた。
これについて首藤氏がブログで否定していたのを引用するまでもなく、ミヒャエル・エンデの小説・映画を見れば影響を受けてない事は明らかだ。ミヒャエル・エンデのモモは時間泥棒によって盗まれた人々の時間を浮浪児のモモが取り戻すというストーリー。ついでに紹介すると同作者のネバーエンディングストーリーは少年が童話の中の世界に干渉して救い出すというストーリーで、人々が夢と希望を失ったために王国が亡びるというから、こちらの方がまだミンキーモモに近い。
そもそも誤解はタイトルにあるだろう。しかしながらミンキーモモは二つの企画が1つになって制作され、タイトルがモモになるかどうかは決定されていなかった。確かにモモというタイトルに固執するスタッフだかスポンサーがいて、それで決まったようだが、モモは既に商標登録されていたのでミンキーモモとなったらしい。
「ミンキー」って何??という問いかけをよくTwitterで見かけるが、これはミルキーというフワフワして甘いイメージから作られた造語とのこと。ミンキーという単語自体は実在するが、それも無関係。
とにかく定説は目にした事がないし、それを発言した人がミンキーモモを見た事もなさそうな知識だったので非常に残念だ。
長い間こうしてファンをしていて思うのだが、たった一つの作品であっても正しく理解するのは難しい(作者やスタッフの意図を正しく把握するのは難しい)。それが数多あるアニメならなおの事、一つずつ正しく理解して感想やら考察するのは容易な事ではあるまい。
ミンキーモモのLDボックス解説者がミヒャエル・エンデのモモを取り上げたりしていて、そういうところから誤解の生じた可能性がある。今回たまたまTwitterの投稿を見つけて否定できたのは不幸中の幸いだった。