ミンキーモモとクリィミーマミはガンダムとマクロスの関係である
別にどちらも好きで構わないが、当然の事ながら別々の作品である。どちらも好きという場合は変身する魔法少女アニメというジャンルが好きなのだろう。クリィミーマミはミンキーモモの成功を受けて制作されているために設定はミンキーモモから殆ど拝借している。まぁエンタメではよくある事だ。ミンキーモモにアイドルと恋愛の要素を追加されて制作されたのがクリィミーマミ。どこかで聞いた事があるという人達はするどい。
そう、ガンダムとマクロスの関係だ。
マクロスもガンダムの影響を受けて制作されて割と似た内容になっているが、ここにアイドルと恋愛の要素が追加されているのだ。美樹本晴彦氏も安彦良和氏に強い影響を受けているため、絵柄的にも近い。更にこの時点ではシリーズになっていなかったガンダムを差し置いて超時空「シリーズ」を作ったのだ。そう、スタジオぴえろが魔法少女「シリーズ」を作った状況によく似ている。まぁガンダムも慌てて完結したはずのガンダムをシリーズ化したわけだが……
葦プロさんにはサンライズのような潤沢な資金はなかったので、魔法少女をシリーズにも出来ずに奪われ、前評判の高かったマッドマシンを中止してロボットアニメのドルバックやダンクーガでヒットを狙ったが、今ひとつだった。
ミンキーモモの書き込みで不思議なのは「ミンキーモモも好きだけどクリィミーマミも好き」「どちらかというとモモ/マミ派」と訊かれてもいないのに2つの名前を挙げる事だ。これは近年の魔法少女ジャンルにおいて、この2つが原点的な役割を果たしていてライバルのように考える人達が多いからなのかもしれない(もちろん本来の元祖はミンキーモモの方である)。
この感覚を否定はしないが、ガンダム好きな人がいちいちマクロスと比べる事は余りないので違和感はある。「クリィミーマミとマジカルエミ」「ペルシャとララ」みたいな比較も見た事がない。恐らくは「クリィミーマミ」~「ファンシーララ」は似すぎていて比較対象になっていないのだろう。
ぴえろ魔女っ子シリーズと葦プロ魔女っ子を見分けるのにスカートの形状が有効。ぴえろ魔女っ子の方は折り重なった形をしている……のだが、ファンシーララだけ違うんだよなぁ。スカートの描き方が変わってるの見た時に高田明美先生も矢張り人間だなぁと思った。
結論的に言うと多分「ミンキーモモVSクリィミーマミ」という短編アニメやOVA同時上映がそのまま2つの作品をセットにしてしまったのだろうと考えられる。今でも、この2つが同じシリーズだと信じている人達も多数いるし、一度でもセットとして覚えてしまったものは死ぬまで変わらないものだ。
当時は知ることができなかった視聴者の生の感覚が、ネットには書かれていて興味深い。