どんどん自分の理想から遠ざかるコンテンツ
若い頃は経験が浅く未熟な事もあるが、感性は豊かだから見る物全てが素晴らしく見えてしまう。しかし大人になってくると簡単には感動できない。「こういう考え方もあるはず」「もっと違う結末もあるはず」「違和感がある」。
しかし「ミンキーモモ」に限った話ではない。若い頃には何も考えずに賞賛してきたコンテンツが継続していくにしたがって疑問を抱くようになっていった。そして今では彼我の乖離は取り返しのつかないぐらいの距離になっている。好きだったのは最初の段階だけ。その後は惰性。
スタッフの作り方が大きく変わったか。
それとも、そのコンテンツを作り続けたスタッフ以外の人に魅力を感じていたのか。
作り手もファンも歳を取って変わっていく。
同じものは2度と作れない。似せようと努力しなければ同じ人でも似たものは作れない。当たり前のことだ。主演が変わったり、バンドならボーカルが変わったりすれば、大きく変質するのは避けられない。
が、変質せずに何十年も同じままの漫画家がいる。かつては大人気漫画家としてアニメ化もあったというのに、余りにも変わらずひたすら同じシリーズを何十年も続けた結果、今は掲載してくれる漫画誌もなくなり同人誌で発表している。絵柄そのまま画力も劣化してないのに、だ。時代と共に変化しないと置いていかれて本人はプロとして続けたくても誰も支持してくれなくなるのだ。本当に厳しい世の中だとしか言いようがない。
つまり昔のままの「ミンキーモモ」を今新規で放送したとしても殆ど話題にならないという事だよ。例え私だけが支持したとしても大多数は「古くさい」と敬遠するだろう。結局のところ若い人達に迎合しなければ成立しないビジネスなのだ。
一方でやたら昔のコンテンツを復刻するのが流行っている。やはり、どのシリーズでも一番最初の作品が一番良質で人気があるのだろう。継続されて後から作られていく作品は人気に乗っかっていくレベルなのか。最初のような感動を期待するのは無理な話だ。
新しく作るなら庵野秀明氏のように原作をリスペクトしつつ徹底的に破壊するぐらいの気持ちがなければ優秀な作品を生み出す事は不可能だろう。
| 固定リンク
最近のコメント